子どもの引渡しの強制執行

 別居中の夫婦の間で子どもの引渡しを巡って紛争になった場合,子の引渡しを命じる保全処分や審判に基づいて強制執行を行うことになります。

 ところが,子の引渡しの強制執行については法律で明文規定がないため,現在の実務では,概ね10歳以下の子どもについては,「動産の引渡しの執行」として取り扱って,執行することになります。具体的には,執行官が,開錠して家に入っていき泣き叫ぶ子どもを連れ出したり,通学途上の路上で力尽くで車に引き込んだり,学校から親戚が来ているなどと子どもを騙して連れ出すという手法など,誘拐まがいの執行方法が用いられることが多いようです(事情を知らない人が見れば,誘拐そのものです)。そのような執行方法が用いられる理由としては,相手方が子どもを抱きかかえたような場合,無理矢理に引きはがすと子どもがケガをする危険もあり,そのためにやむなく誘拐まがいの執行方法が用いられるとの説明もあります。

 しかしながら,誘拐まがいの執行方法をとらざるを得ない現在の実務は,異常といわざるをえず,そもそも,子どもを「動産」に準じて取り扱っていることに大きな問題があるといわれています。実際,執行官も人間である以上,いくら仕事とはいえ,子どもの引渡しの強制執行については,強い心理的葛藤があるようです。

 この点については,立法的な手当が必要であるとされていますが,なかなか実現には至っておらず,他方で,法治国家である以上,子どもの引渡しの強制執行を行う必要性があることも否定できません。

 そのため,当事務所でも「子どもの引渡しの強制執行」を申立て,なるべく,子どもに危害が生じないよう,あるいは,子どもに大きな心の傷を負わせないような方法を用いるよう配慮して執行しています。制度的な限界はあるにせよ,強制執行の実現をなるべくソフトな形で実現するためには,専門家である弁護士に依頼し,執行官,裁判所等との連携を実現することが不可欠といえます。

 

 とはいえ,なるべく早期に上記理念を調和させる立法的な手当がなされることを切に願うばかりです。

 

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